Sep 16, 2005

確信

 海辺のカフカを携えて東北の旅に出たのですが、結局200ページ程しか読めなかったので、帰宅後一気に読みました。上下巻で1000ページを超えるなかなかの大作なのですが、中だるみなく読み終えることができました。言い換えれば、どこということなく話は淡々と進行し、小さな波に揺られ続けているうちにその場所に辿り着いたという印象です。ただ、構成が独特で、映画のようなシーンチェンジが用いられているので、飽きることなど全くなく読みきってしまいました。
 そんな訳で、作品全体を通じてうまく波に乗れるか否かが決め手だと思うので、殊更にココという箇所は少ないのですが、それでもゆっくり揺られながら自然 と田村カフカに自らを重ね合わせていると、ごくごく個人的にですが、改めて考えさせられたコトバがありました。

 君がやらなくちゃならないのは、たぶん君の中にある恐怖と怒りを乗り越えていくことだ。そこに明るい光を入れ、君の心の冷えた部分を溶かしていくことだ。それがほんとうにタフになるということなんだ。
 彼女は君のことをとても深く愛していた。君はまずそれを信じなくてはならない。それが出発点になる。
村上春樹 「海辺のカフカ」

 思わず、「わかってる!」と怒声をあげそうになりました。そう、そうなんです。わかってます、もう嫌という程考えてきたので、頭では十分に。俺は確かに愛されていたし、愛されている。よくよく知っている。そして、やはり、ここから始めなければならない、この大きな事実を確かに信じなければ。

   いつも傍にいることはできない、でも、ずっといるよ

 頼りない俺にわざわざのコトバ、温かいコトバありがとう。つくづく思う、ひょっとして俺はけっこう幸せな人間の部類に入るんではないかと。。大丈夫、「確信」はそう遠くない。ほんまいい加減、ほんとうにタフになりたいと思うから。