Feb 12, 2006

相場のハナシ (弐)

 俺の近くにも下手くそがいますが(身内なので遠慮なしですが)、出来もしないのに上げ相場の中でも押しが入るとその押しの小さなうねりまで取ろうとしています。当然ながら上手くいくわけがないので、四日下げて六日で戻したとすると、二週間経過したその時には手数料を払ってまで利益を減らしたというのがお決まりです(「減らした」だけならいい方です)。まさに底から天井まで、小さなうねりまで、全て取らないと気がすまないのです。
 ここんとこもう少し丁寧に説明すると、上げ相場で日々株価が上がってきているさなか、押し目が入ったとわかるのは、早くても一日下げてからです。しかもその一日のみで、それが後数日は続く押し目だと判断するのはかなり難しく、できるときは大抵しっかり押した時です。しかしそれでも、上げ相場だとふんでやっているのに、たった一日の下げで持ち株を売り払うのは相当難しいことです。もし(偶然にも)一日の下げから押し目だと判断し、さらに勇気までふりしぼって二日目に売れたとしても、次は一体いつ買いなおすのでしょう。翌日?その次?これまた押し目が何日で終わるかをピタリ「当てる」のは相当難しいです。もしもし、四日で終わると「閃いて」五日目に買いなおせたとしましょう。ではその時点で、往復分の手数料も引いて、売り払う前と比べ一体いくら程の利益が増えたというのか。これやってみたらわかりますが、上手くできても、これから取ろうとしている大きなうねりからすると、物凄く少ないです。ましてや、売りと買い2回もピタリと売買しなければならないのですよ!間違いなくリターンよりリスクの方が大きいです。疲れるだけ損ですから、止めましょう。その間一本でも映画観たほうが人生有益です。

 これはおそらくチャートの功罪ではないかと思います。相場をやる者だれしもチャートを見れば天と底に目がいくものです。妄想もします。「テッペンのココで売って、タニゾコのココで買えればなぁ」ポワ~ンと。これはしょうがない。しかしそれは過去のことであるということを忘れてはいけません。その時はそこが底だとはわからなかったのです。書いててあほらしくなりますが、そうなんです。競馬をやる人よりも、相場をやる人の方がここんところの勘違いが激しい気がします。底で買えた人は、底だとわかって買ったわけではなく、買ったらたまたま底だったのです。そんなことは狙ってできることではなく、「何度も何度も狙ってやってみたら当たることもある」、その程度です。そんなことではコンスタントな利益は到底望めません。またもう一つ重要なのは、上手くなれば天井で売って底で買えるのかというと、そういうことも絶対ありません。そりゃ、底として値がついている以上、誰かがそこで買っているのですが、別にそれは上手い人でもなければ、いつも同じ人でもありません。
 ここで断っておきますが、俺がこういうことを思わないわけではありません。思います、物凄く。でも、いやいや!と自制しているだけです。俺が不等分割ではなく等分割でやっているのも、まだこの天・底を「当てよう」という意識を払拭し切れていないからだと思います。

 実現可能性のないことを目指して努力してもしょうがないのです。

 コンピュータの専門化が、膨大な統計をとったことがある。天井の一点(いちばん高値)を捉えられる統計的確率は、1/15,000,000だそうである。 (林輝太郎 「株式上達セミナー」 同友館)

 というわけで、単純に天・底どちらも当たる確率は、1/225,000,000,000,000 (あってる?)なので、こりゃもう「得べかりし」利益ですらないのです。
(続く)

No comments:

Post a Comment