Sep 24, 2007

無責任

 今朝出荷の帰り道、前方で対向車がゆっくりと大きく「何か」をかわしながら通行していました。何かものでも落ちているのだろうかと近づくと、「何か」はものではなくイヌでした。
 そのイヌは渡ろうとして渡りきれなかったのか、対向車線中央で怯えていました。行き交う車は皆、その子を傷つけることのないよう「ゆっくりと」丁寧に大きくかわして通り過ぎるので、両車線とも軽く滞りだしていました。俺も対向車がかわしやすいよう左に寄り、そしてその子をジッと見ながら通り過ぎてしまいました。
 直後、これは無責任だと悔いました。どうせ「ゆっくりと」時間をかけるのなら、誰か一人でも車を停めその子を抱いて避難させてやればよかったのだ。そうすれば、皆が安心してスムーズに走行でき、そして誰もあの子の安否を気にせずすんだのだ。さしあたって、新聞を読みながら朝食をとるぐらいの予定しかない者などは、間違いなく停まるべきだったろう。
 こういうものは善・悪の問題ではなく「責任」の問題なのだと思う。これといったロスがないにもかかわらず、この程度の責任すら負えないようでは、この先何一つ背負ってはいけないと大いに反省しました。

 責任の問題とは別ですが、通り過ぎる瞬間のあの子の顔が忘れられず、今日はなんとなくぼんやり過ごしました。次は間違えることのないよう、責任をもってこのような文章を残しました。

Apr 16, 2007

自己表現

 自己表現が精神の解放に寄与するという考えは迷信であり、好意的に言うとしても神話である。少なくとも文章による自己表現は誰の精神をも解放しない。もしそのような目的のために自己表現を志している方がおられるとしたら、それは止めた方がいい。自己表現は精神を細分化するだけであり、それはどこにも到達しない。もし何かに到達したような気分になったとすれば、それは錯覚である。人は書かずにいられないから書くのだ。書くこと自体には効用もないし、それに付随する救いもない。
村上春樹 「回転木馬のデッド・ヒート」

 これはわかるような気がする。俺も昔はよくしゃべった。まさに精神の解放という救いを求めて、大事そうな、意味のありそうなことをたくさんしゃべった。しかし、その結果は散々たるもので、何一つとして救われはしなかった。逆に多くのものを壊し失ったような気がする。
 ここでこのような文章を書いているのだから、今でもまましゃべるのかもしれない。しかし、自慰的な自己表現はしなくなった。

Jan 23, 2007

農業には自由があるから

 さて、「なんで農業?」と質問されることがままあるのですが、いつもきまって「そこには自由があるから」とこたえます。
 最近気づいたのです が、どうやら「自由」という言葉が俺の20代後半(えと、ただいま27歳です)のキーワードのようです(ちなみに20代前半のそれは「孤独」でした)。金 も地位も名誉も俗っぽい「幸せ」も正直あんまり興味がない自分に気づいて、んじゃ俺はこの人生に何を求めるのかと考えると、あぁそれは「自由」だと気づき ました。そしたら自然に農業に行き着いた感じです。ちなみにこれはまさに今日、ダイコンを間引いているときに思ったことなんですが、およそ人生というのは 貸・借のきかないものなんだと思いました。つまり、明日のために今日はあれこれ我慢しようとういのはナシなんだということです。ナシというのはネガティブな選択はしてはいけないという意味でして、人生に努力も忍耐も必要なく雌伏の時というものを否定している訳ではなく、ただその選択は絶対にポジティブでな ければならないという意味です。だから俺の人生は毎日「自由」でなければならず、週の5日間は不自由だけど週末2日は自由というのは、雌伏と雄飛のバランスがずれ過ぎていてそんなことポジティブには選択できないなぁと思いました。
 そんな訳で農業です。ここには自由がいっぱいです。なんでもできま す。毎日が自由研究であり工作であり企業内ベンチャーであります。「人生」というものを「自己満足」という尺度で評価しかつ「現実」というものをも加味するなら、20代後半の現時点では、これ以上の選択はあり得ないとすら思ってます。

 でも、ま、人生「自由」だけでは心はふくれても腹はふ くれないので、やっぱり少しはお金が必要という「現実」があるのも事実です。そこで!(ここが最も重要なんですが)自由に農業をしながらいかにお金をかせ ぐかという大問題が生じます。20世紀の農家は政府と農協という組織に従属してさえいれば、最低限のお金はなんとかなったもので、これは21世紀もやっぱ りそうだと思います。しかし、「従属」していては窒息してしまうので、これらに従属せずに農業で生計を立てなければならないのです。そんな訳なので、自分 でいろいろやることにしました。まさに「農で起業する!」です。
 一応今春スタートの予定でいろいろ準備しています。基本は低コスト&ITフル活用の農業です。