Jun 18, 2009

翻訳の賞味期限

 グレート・ギャツビーの巻末には、村上さんによるこれまた本編に匹敵するほどに熱いあとがきが収められています。その中で村上さんは、翻訳には賞味期限があると述べています。
翻訳というのは、詰まるところ言語技術の問題であり、技術は細部から古びていくものだからだ。不朽の名作というものはあっても、不朽の名訳というようなものは原理的に存在しない。
との考えからだそうです。こういう考え方が村上さん独自のものなのか、それとも一般的に言われるものなのか僕にはわからないのですが、言われるとなるほどそういうものなんだろうなぁと思いました。今回僕はこのグレート・ギャツビーをかなり村上春樹オリジナルのような感覚で読んだので、これはこれで村上春樹の「不朽の名訳」ではなく「不朽の名作」と感じていますが、一般的には翻訳作品に賞味期限は付きものなんだろうね。
 少し前かな、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」の新訳が話題になってたけど、あれも単なる商業主義のみによるものではなく、原作は色あせる事なき名作なのにいつまでも賞味期限の切れた翻訳を放置してはおけないという文学衛生上の意図もあるのだろう。あ、ちなみに村上さんは、もし「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本を三冊あげろ」と言われたら、考えるまでもなく
・グレート・ギャツビー (スコット・フィッツジェラルド)
・カラマーゾフの兄弟 (ドストエフスキー)
・ロング・グッバイ (レイモンド・チャンドラー)
の三冊だそうですよ。

Jun 14, 2009

孤独

多くの場合、孤独は人の心を蝕んでいく。僕は作家だから、孤独というものの持つ力強く輝かしい価値と、裏にある危険な毒性をよく承知している。そこに約束されている価値を手に入れるためには、僕らはその毒とともに生きていく術を覚えなくてはならない。緊張と集中力が必要とされる。少しでも気を抜くと、その毒はすぐに僕らに噛みつく。狡猾な蛇のように。
村上春樹 「シドニー!」

 僕のそう多く語ることのない二十代前半は、一言で表すなら(きっと一言で表せると思うけど)「孤独」です。とにかく孤独についてよくよく考えた。藻掻き、苦しみ、苛まれる度に、さらには一時のハッピーな気持ちのときでもわざわざ進んで考えました。そんな僕も、さすがにいつまでも孤独だけに付きっきりで人生を送れるほど優雅には生まれてこなかったので、何時ということはないけれど何時の間にか、僕なりの結論のような処世術を得て再び歩き始めたのでした。
 そんな僕ももうすぐ三十歳です。さすがに、震える魂をいたわる術もわからず日々「頑張れ!オトコだろ!」のかけ声で自らむち打つような文字通りの自虐行為はしたくはないけれど、どこか最近はあの脆くも研ぎ澄まされたガラスのような自分が恋しくもあります。ま、結局のところ、僕も行きつ戻りつ適当な"中庸"を探りながら適当に生きていくんだと思います。そうそう、それが大人になるということだったっけ。
 僕は作家じゃないので、悲しいかな孤独に限らず大方の概念は"得も言われぬ"ものばかりだけど、村上さんの言葉を借りるなら僕も僕なりに、孤独というものの持つ力強く輝かしい価値と、裏にある危険な毒性を少しは承知しています。そしてそれは、当時は想像だにしなかったほどに今の僕の人生に役立ってます。とっても。とっても。この村上さんの言葉は、僕の得も言われぬ孤独のとらえ方をわりと上手に代弁してくれているような気がしたので、引いておきました。

Jun 9, 2009

グレート・ギャツビー

 なんとか時間をやり繰りして、久しぶりに図書館へ行ってきました。今回借りたのは次の四冊。

・グレート・ギャツビー
・シドニー!
・野菜のソムリエ「ベジフルキッチン」 栄養と保存と調理の知恵
・野菜塾 もっとおいしく、もっと元気に。野菜ソムリエのプチレッスン

 今回はなんといっても、スコット・フィッツジェラルド著 村上 春樹訳の「グレート・ギャツビー」です!村上さんが三年前「ついに」翻訳したのに対し(有名な話なのでこの辺の記事を参照してください)、僕もそんなグレート・ギャツビーに「ついに」村上さんのことばで対面することになりました。本当は原書を英語で読みたいところなのですが、さすがに今はそんな贅沢をしている場合じゃないので、今回は「まず」村上さんに語ってもらいました。
 久しぶりにズシリときたぁ。もう、登場人物達の織り成す様々な想いを、精緻・繊細だけどくどくなく極めてスムーズに、あぁ文字通り得も言われぬ描写力で一つの物語がつむがれてました。そのあまりの存在感から、このやりとりは今僕の眼前で行われている、僕はこの世界でリアルに傍観しているんだとの思いから、読んでる最中気づけばたらぁ~と汗をかき、息が切れ切れでした。
 読み終えて、、、ただただ、疲れました。はぁ、、、疲れた、けど、こういうのこそ小説だよなぁ。超おすすめ。

 今回「ついに」グレート・ギャツビーを手にしようと思ったのは、村上さんの話題の新作 1Q84 に備えて(?)、よし今こそ読んでおこう!と決意したものでした。きっとこれがフィッツジェラルドの原作だと知らなかったら、村上春樹著だと思っただろうなぁ。それぐらい自然に村上ワールドでした。長編でなく短めで、読みやすいし、ぜひ読んでみて。
 もちろん、1Q84はちゃっかり予約しました(稲美町立図書館は素晴らしく、ネットでぽちっと予約ができるのです)。僕が予約する時点で、11人予約済でした。買おうか借りようか半日ほど迷ったのですが、一人1週間で返すとして12週後だから9月かぁ、、、と思うと、まぁ仕事して勉強してりゃすぐだなと、節約することにしました。ああでも早く順番回ってこないかな。

Jun 2, 2009

夏野菜穫れ頃

 セッセといろいろ育ててますので、ここで収穫予定を載せておきます。

エダマメ:6月下旬
オクラ:6月中旬
カボチャ:7月上旬
キュウリ:(既にコソッと穫り始めました)
スイートコーン:6月下旬
スイカ:7月下旬
トマト:6月下旬
ナス:6月中旬
ピーマン:6月中旬
パプリカ:7月下旬
マクワ:7月下旬

 カボチャはミニ、トマトは中玉、パプリカは赤・黄・橙の三色、エダマメは最初は白、その後黒エダマメを予定しています。
 今年は去年さっぱりだったトマトをきっちり仕上げて、スイートコーンを虫からスイカをカラスから死守したいなぁと目論んでます。さて、明日も頑張るぞ、と。